蝶々通りの蝶々ホテル、もしくはコーネルのホテルボックス。

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HOTEL PAPILLON
8, rue Papillon, paris

オテル・パピヨン
パリ、パピヨン通り、8番地

蝶々通りの蝶々ホテル、なんて、コーネルのホテルボックスシリーズにありそうで、詩的想像を掻き立てられる。


 「『オテル・ボオ・セジュール(快適亭)』、『オテル・デトランジュ(異人館)』、『グラン・オテル・ド・ラ・ポム・ドール(金の林檎グランドホテル)』、『オテル・デュ・ノール(北ホテル)』、まだまだある。どこへも出かけなかったこの男は、自分独自のベデガーを捏造したのだ。コーネルの一連のホテルは、南フランスか、北アフリカのフランス植民地のどこかにある。どれもいまはさびれている。かつては白い円柱があり、身動きひとつしない召使いがいて、大理石の彫像があったがいまはその台座しか残っていない。・・・」
(「空想のホテル―Imaginary Hotels」、『コーネルの箱』/チャールズ・シミック/柴田元幸)


 一箇所に留まらず何にも属さずに、国から国へホテルからホテルへと漂い続ける人生と、どこへも出かけずひたすら閉じこもり続ける隠遁の人生は、割と近いような気がする。rue Papillonはパリ9区に今も存在する、けれどもHotel Papillonはもう存在しないようだ。デロールのごとく蝶の標本が飾られ、それぞれの部屋の名前は蝶の学名が付けられていた、そんなホテルだったらいい、と思った。

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